作業療法士の仕事
作業療法士とは、病院やリハビリテーションセンターなどで、身体や精神に障害を持つ患者に対し、医師の指示のもと作業活動を通じて身体機能の回復を図り、自立的な生活ができるよう訓練や指導・援助を行う人のことを指します。 理学療法士や言語聴覚士とともにリハビリテーションの専門家と言われています。
日常行動での仕事や遊びなど、人間の生活全般に関わる活動を「作業活動」と言い、農耕や園芸、手芸、レクリエーションなどの作業を行わせることで、患者の精神面、心理面での安定をめざします。
仕事の流れ
まず医師から訓練の依頼を受け、患者について詳しく知ることから始まります。
患者の障害の状態や生活習慣、過去のリハビリ経験などについて詳しく調べ、趣味や嗜好などを考慮しながらその人にとってふさわしい内容を検討して、作業療法のプログラムを作成します。
例えば、園芸が好きな患者には、植物に水をやるという行為を通して自然に身体を動かすことを促したり、子どもの場合には課題に応じて遊びを中心とした作業療法を行うなど、患者一人ひとりに応じたプログラムを実施する必要があります。
理学療法士との違い
ちなみに同じリハビリの専門家である理学療法士は、動作訓練やマッサージなど物理的な方法で運動能力を回復させますが、作業療法士は障害を持つ人の応用的動作能力や社会的適応能力を、作業活動を続けるうちに自然にできるように導くという、心理学的な手法を用いるという違いがあります。
作業療法士をめざすには
作業療法士になるには、国家試験により免許を受けなければなりません。国家試験を受験するためには、作業療法士についての知識が学べる専門学校にて、全課程を修了させる必要があります。専門学校では、解剖学、リハビリテーション医学などの医学的専門知識と作業療法の知識を学びます。作業療法士は、人間として生きていく上での活動を理解・分析し、それを仕事に利用できる力を身につけることが不可欠とされています。
こんな人が向いている
作業療法士は仕事の現場で医師や他の医療関係者などと連携して、仕事を進める必要があります。作業療法士としての専門知識や国家資格が必要なことはもちろん、患者や医療関係者、患者の家族など、さまざまな人とのコミュニケーションをスムーズに行える能力も大切になります。
また、作業療法士は患者と根気よく関わりながら、共に歩む姿勢が必要な仕事です。積極的な姿勢で、根気を持って患者さんと接することができ、人と接することが好きな人、協調性のある人などが、作業療法士に向いている人と言えるでしょう。
作業療法士の今後
現在、身体障害者、精神障害者、高齢者、小児など多くの人が作業療法士を必要としていると考えられていますが、実際には供給が伴っていないと言われています。
対象となる障害が多種多様なために、作業療法士の職場は医療機関だけでなく、高齢者施設や肢体不自由児施設、発達障害児施設など広範囲に渡ります。また、最近は医療機関や施設での訓練のほか、在宅でのケアも行っていて、作業療法士の活躍フィールドはさらに広がりをみせています。
さらに、「音楽療法士」や「園芸療法士」など、ある作業療法に特化した民間資格が誕生するほど、作業療法士の社会的ニーズは上昇しているとようです。




